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仕事が捗る一枚


RICHARD CRANDELL
Essential Tremor

手の震えの病気をきっかけに、ギターからカリンバに持ち替え、ジョン・ゾーンのレーベルTzadikから立て続けに2枚のアルバムをリリースした米クランデルによるサード。ジンバブエの民族楽器がポロポロと素朴に鳴り響く内容だが、まるで空気清浄機のごとく周囲の環境を瞬時に和ませてしまうような、かけっぱなしにしたくなる1枚。「世の中に平穏を」というコンセプトで音楽制作をしているのも頷ける。ジャケットにある彼の住むオレゴン風景に乗ってどこまでも飛んでゆくような・・その音色は実に優しく心地よい。全ての音楽ジャンルのファンに大推薦の1枚です!
LORI CULLEN

Buttercup Bugle

あのFREE DESIGNの中心人物で、巨匠ヒッチコック映画にも楽曲提供する奇才クリス・デドリックが共同プロデュースで参加したカナダの女性ジャズボーカリストの作品。ホントにFREE DESIGNを聴いてるような甘酸っぱいメロディーに溢れており、ホーンセクションのフレーズだけでも幸福感に包まれてしまいます。Judee SillやArto Lindsayなどのカヴァー曲も収録。仕事中、ハッピーを欲しているときに!

JOHANN JOHANNSSON

Dis

アイスランドの作曲家ヨハン・ヨハンソンの人気を決定づけた感のある2005年作。彼のアルバムはどれも優雅なクラシカルテイストで美しすぎる出来だが、その中でも本作はどこかユーモアや、ノリノリな80’s感まであって、クセになるような魅力をあわせ持つ。仕事中の全ての時間帯にイイです!

Science For The Living

英国出身の人気バンド、カイトのセカンド。叙情的なメロディーに、爽やかなボーカルが壮大なサウンドにのってこだまする至福の1枚。この高揚感がたまらなく好きで、私事ではありますが、近年のロック系ではSchool of Seven Bellsと並び、仕事のスパートをかける時に最高の威力を発揮します!

DEADBEAT

aLive 01

~Scapeの人気カナダ・アーティスト、デッドビートの企画盤。「仮想ライブセット」をテーマにシームレスにミックスされた作品だが、秀作揃いの彼のソロアルバムを魅力たっぷりに最大限、かつライブ感をもって凝縮させたような力作。テクノダブの波で泳ぎながら、心地よく仕事をしたい時に!

2562

Aerial

オランダ出身の2562によるファースト。ダブステップの革新的存在と評されるだけあり、初めて聴いた時の衝撃が忘れられない。カミソリのごとく鋭いエッジ、強力にタイトな音圧、超ミニマルな構成・・あまりにもスリリングな本作は、仕事中スイッチを入れ換えたい時に抜群です!

ROY DAVIS JR

God Life Music

ハウス系の名門レーベルStrictly Rhythm出身のシガゴハウスの重鎮による7作目。ひたすら、ぶっといキックの音に、ソウルフルに連なる女性ボーカル、あげあげなリフのループが最強のうねりを作り出す。その理屈抜きの単純明快なアッパーさ加減は、朝のもやもやや昼食後の眠気ざましに最適です!

別世界へと通じる1枚

NETWORKS

White Sky

止めどなく溢れ出る希望に満ちた煌めきが、上昇気流となって、無限に広がる大空へと解き放たれていくような、名曲『Ab-Rah』から、幾度も幾度も甘美なカタルシスが押し寄せる、ネットワークスの生んだ大傑作アルバム!ギター、シンセ、ドラムの音色を軽やかに編み込んだ、開放感あるリリカルなグルーヴが、万華鏡のように色鮮やかに変化しながら駆け巡り、聴くものを空の彼方まで連れ去ってしまう、2010年、全力で大推薦したい一枚の誕生!祈るように上へ上へと昇っていく、大きな流れに身を任せ、みたことのない世界を眺めてみませんか?

BRUCE HAACK

The Electronic Record For Children

今なお多くのDJにサンプリングされるなど、その影響力も絶大な、カナダの電子音楽家ブルース・ハーク。自ら立ち上げた『想像という第5の次元』を意味するレーベル、ディメンション5に残した作品の中でも、特にサイケデリックでスペイシーな5枚目のアルバム。自作楽器やムーグ、SE、ナレーションなどをコラージュの様に混ぜ合わせ、子供の飽くなき夢想をそのまま音楽に投影。ハークの用意した宇宙船は、大人も子供も異次元へと迷い込ませる。

CARL CRAIG & MORITZ VON OSWALD

Recomposed

デトロイトとベルリンのシーンを牽引する2人の才人が、格式高いクラシック曲を再構築。すぐにそれと分かる主旋律は封印し、淡々としたリズムと管弦楽のフレーズをピックアップした上で、アンビエントから強靭なミニマル・ダブへとしなやかな変容を遂げる『ボレロ』をはじめ、この2人だからこそ成し得る、研ぎ澄まされた足し引きの美学に驚愕。ゆっくりと離陸していくようなオープニングから、躍動感を絶やすこと無く、知らぬ間に別次元へと至る一枚。

MASTER MUSICIANS OF JAJOUKA

Brian Jones Presents The Pipes Of Pan At Jajouka

モロッコ北部に位置する村、ジャジューカの儀式音楽をブライアン・ジョーンズが録音。更に彼が加えた強烈な音響処理によって、独特の位相を持ったコズミックな空間と、凄まじいトランス度を獲得してしまった衝撃作。鼓膜に突き刺さるハーシュな響きのライタ(笛)を中心にしたヒプノティックな演奏が、意識を飛ばし、身体を芯から揺さぶる、魔術的なリアル・トランス・ミュージック。

HIGH PLACES

High Places

ブルックリンからカリフォルニアへと拠点を移した男女デュオ、ハイ・プレイシズが、08年にリリースしたデビュー作。パーカッシヴに飛び跳ねるビートに、フワフワと漂うエアリーなヴォーカルを重ね、透明感ある不可思議な揺らぎで包み込む、夢見心地な無重力トロピカル・サイケ・ポップ!掴めそうで掴めない音を追っているうちに、違う惑星に来てしまったかのような錯覚に陥ってしまうかも。

HAKI R. MADHUBUTI AND NATION

Medasi

アフロ・アメリカンのスピリットを伝えるハキ・R・マドゥブティのポエトリー・リーディングと、グルーヴィーな演奏、母性を持って高らかに響き渡る女性スキャットとの融合から沸き上がる、天へと向かう壮大なエネルギー。子供たちが『We are african people!』と叫ぶT-2を筆頭に、その精神性の高さに打ちのめされる、崇高にしてピースフルな想いが込められたスピリチュアル・ジャズ・アルバム。

MOEBIUS-PLANK-NEUIMEIER

Zero Set

クラスターの片割れメビウスと、クラウト・ロックを語る上で外せないコニー・プランク、そしてグル・グルのドラマー、マニ・ノイマイヤーが合体して生み出した、世紀の名盤!地を這い飛び交う電子音と、直進するプリミティヴなドラムが絡み合い、怪しくどこまでも迫り来るT-1に始まる、この異様な胸騒ぎと興奮は何!?照らし出された地下道の先に、出口のない迷宮が待ち受ける必聴作!

FAKE JAZZ

Cenozoic

制作から6年という歳月を経てようやくリリースされた本作は、ズブズブとぬかるんだダビーな空間の中に、ジョン・ハッセルを彷彿とさせるアンビエント模様や、アルバムの中でも一際存在感のあるドープなベース・ラインを携えた、ヘリオセントリックス並に黒々としたグルーヴなどを溶け込ませ、浮遊感と深みある音像を綴っていくディープ・ジャズ・ブレイクス!

DJ YOGURT & KOYAS

Chill Out

耳慣れた様々な環境音を鏤めた中に、現実離れした極楽浄土のような世界が広がる、理想的にアップデートされたアンビエント・クラシック。緩やかにとろけるギターのメロディーや、柔らかな女性の歌声を浮かべ、心地よい広がりと平穏な空気が満ちる、チルアウトなひとときを紡ぎ出した新たなる名作。安らぎに彩られた天国へと旅立つ、至福のサウンド・トリップを味わえる一枚。

ASTRAL SOCIAL CLUB

Happy Horse

耳を聾する程の密度と、目の眩む程の高揚感が覆い尽くす、宇宙の果てから放射される蛍光色のコズミック・サイケデリア!力強く鼓動するダンサブルなビートを支えに、エレクトロニクスが混沌と蠢き、大きなうねりとなって全てを呑み込む、その名に相応しい高次元世界を描き上げた最新アルバム。銀河の向こうまで一気に突き抜け、天上の世界に砕け散る、恍惚の60分間!

音を遊び、音に遊ぶ一枚

MOONDOG

Viking of Sixth Avenue

オリジナルのパーカッションも用い、軽やかに打ち鳴らす、素朴で不思議なリズムを奏でた、ニューヨークの路上に花開いた美しくユニークな奇跡。
環境音をも取り込んで紡いだ、時代に先んじる不思議な空気感の響きや、温もりあるまっすぐな歌声にのせた、無垢な思いに涙させられるチャーミングな小曲、エキゾチックなジャズにオーケストラ作品まで、光を失った目の奥にある、澄んだ心が織り成す音で綴る、6番街のヴァイキングのお伽話。

MOONDOG

Viking of Sixth Avenue

オリジナルのパーカッションも用い、軽やかに打ち鳴らす、素朴で不思議なリズムを奏でた、ニューヨークの路上に花開いた美しくユニークな奇跡。
環境音をも取り込んで紡いだ、時代に先んじる不思議な空気感の響きや、温もりあるまっすぐな歌声にのせた、無垢な思いに涙させられるチャーミングな小曲、エキゾチックなジャズにオーケストラ作品まで、光を失った目の奥にある、澄んだ心が織り成す音で綴る、6番街のヴァイキングのお伽話。

LARAAJI

Day of Radiance

キラキラと乱反射する如き煌く音を解き放つ、民族弦楽器ZITHERにのせて映し出される、優美な上昇、開放と安らぎ。
柔らかな光が降り注ぐなかに、リズミカルに、たゆたうように紡がれる、天上の至福に包まれた、夢幻のアンビエンス。

AU

Verbs

大きなうねりを生み出す、20人のコーラス隊に彩られた、カラフルなルーツ・ミュージックから紡ぎ出される、歓喜のサウンドが、圧倒的な多幸感に駆られ、瑞々しく走り出していく。胸の空く感動が押し寄せる、眩く恍惚とした祝祭のポップ・サイケデリア!!

REDSOUND x GRIND DISCO

Drag And Drop

真っ黒な躍動感に満ちるアフロ・ファンクのグルーヴをドラッグ&ドロップ!、原初の衝動にぶっとく弾む、トライバル模様の煌びやかなディスコ~ハウスに、心も体もファンキーに揺さぶられる、ギラギラした高揚に覆われたコズミック・グルーヴ!

BILL LASWELL

Imaginary Cuba

美しい洒脱な旋律とパーカッシブに弾むリズム。生活音を編み込みながら、浮遊感を纏い、波打つ、厚みあるヘヴィーなビートで形作るダブ空間の中に、活き活きと、幻想的に描き出した、豊かな音に満ちる、キューバの音楽地図。

PANDA BEAR

Person Pitch

郷愁をも誘う、ビーチボーイズにも似た、スウィートなハーモニーを携え、深いエコーに揺らめく、甘美な音像に飛び込んだ、どこまでも、いつまでも、夢心地に木霊するメロディー。決して色褪せることのない、あの夏の輝かしさを永遠に閉じ込めた、温もりのリリシズム。

THE PERFORMERS

A Homemade Stereo Recording

フランスにいながらに思い描かれた、マウイからブルックリンを巡る旅の風景。様々な環境音、楽器音、儚いボーカルを織り込み、彩り鮮やかに綴る、既知で未知な情景や感情を浮かび上がらせるシネマティックなサウンドが、不可思議な体験をもたらす。

DON CHERRY

Hear & Now

まるで呼吸するように、軽やかに、しなやかに、世界各地のサウンド~リズムを取り込んでいった、真にフリーなジャズ・ミュージシャン。浮遊感に揺らぐトランペットを重ね、進む、エキゾチックな感触のグルーヴがファンキーに弾む!

LUIS NANOOK

Place

幻想的に揺らぎ、たゆたう風景のなかに、儚くも温もりある歌声が囁くように弾き語る、叙情の響き。移ろいゆく記憶と情景に遊びながら、繊細に紡がれ、すっと心に沁み込んでくる、優しくも切ない物語。柔らかな感動を運ぶ新世代のフォ−ク・ミュージック。

FEDERICO DURAND

La siesta del cipres

10年前のコンピューターと楽器を操り、どこまでも柔らかに、ぼんやりと響かせた、お昼寝のための音楽。その無垢なまでに美しくシンプルな響きが、幸福な思いに包まれたまどろみに優しく誘う。懐かしい記憶も刺激する、愛しのアンビエンス。遊び疲れたら、おやすみなさい。

何もしたくない一枚

BOARDS OF CANADA

The Campfire Headphase

重なり合う神秘的なビートの隙間から極上のメランコリーが姿を現す。実は兄弟だったスコットランドのデュオ、ボーズ・オブ・カナダが英WARPから05年にリリースした、サウンドそのものに特別な力がある、疲れた身体を癒し魂を再生させるサード・アルバム。まるで色褪せた写真のようなオープニング、のびきったテープから聴こえてくる不思議とノスタルジックなギター、波打ち際のざわめき、鳥のさえずりを奏でるエレクトロニクスが、沈み込むビートと手を取り合い穏やかな幻想へ誘う「Chromakey Dreamcoat」はじめ、一音一音の中に神々しい何かが潜んでいる、独特の雰囲気を持った本作。えも言われぬ甘美なやすらぎが残る、深淵な「Peacock Tail」は、もっとも美しい時間。何十年も風雨にさらされた廃車のダッシュボードから発見されたフォトブックにも見えるアートワークも素晴らしいこの感受性をトータルに身体で感じるには、目の前の日常から離れて。

PAPA M

Live From A Shark Cage

スリント〜トータスを渡りあるいた天才ギタリスト、デヴィッド・パホの繊細な情感を余すことなく伝えるギターのフレージングが本当に素晴らしい、99年の大傑作インスト・アルバム。サステインの効いた消え入りそうなほど儚いトーンで、哀愁を帯びたメロディが詩情豊かに紡ぎ出される、甘美でロマンティックな本作。自分自身の奥深い部分にコネクトできる、ラストのメディテーショナルな2曲は、一番暗い底に降りた人だけに流れる悠久の時間。聴き終えた後は、穏やかな余韻だけが残るはず。

NEIL YOUNG

On The Beach

栄光と絶望。全米1位となった前作『HARVEST』の大成功がもたらした苦悩、孤立、疲労感からボロボロ状態だった当時29歳のニール・ヤングが新しく歩みだす、冒頭2曲の流れが素晴らしく、「See The Sky About To Rain」の美しさは本作のハイライト。荒野の美をみせつける、荒れ果てた中盤の3曲をくぐり抜けて用意された、光がさしこむラストの3曲も絶品。聴き終わるころには、心にからんだ余計な疲れも浄化され、肩の力も抜けるはず。当時の評論は、「過去10年間で最も絶望的なアルバム」。

MARION BROWN

Vista

スタンリー・カウエルの美しいピアノと、心地よい情感を紡ぎだすゆるやかなコンガに導かれスタートする、孤高といわれた黒人アルト・サックス奏者、マリオン・ブラウンの静謐な75年作。チル・エアーな「Bismillahi ‘Rrahmni’ Rrahim」での、星の瞬きのように美しいエレクトリック・ピアノは、ブライアン・イーノのオブスキュアからの作品で知られるハロルド・バッド。優しい光りに包まれた、柔らかな響きのスピリチュアル・ジャズ。

KIM HIORTHØY

Hei

どっぷり耽溺できるノスタルジックな音色のエレクトロニクスと、アカイの古いサンプラーから鳴らされる柔らかいビート・フォームの上で、現実と夢がメランコリックに交錯する、北欧のエイフェックス・ツインといわれた初期作品集。一つ一つの音の響きに本当に心が鎮まる、最高のベッドルーム・ミュージック。目を閉じて音楽に集中すると、まるで別の世界にいるよう。

TAKAGI MASAKATSU

Air’s Note

高木正勝作品の中でもっとも耽美な06年作品。エレクトリック・ピアノの透明な音が美しく、木漏れ日の中で聴きたい「Ophelia」、迷い込んでしまった森を彷徨う感覚が心地よく、鎮静効果がある珠玉のアンビエント・トラック「Entrance」、ピースフルな空気に包まれる「Watch the World」など。製作中は何度も山に行き、森林の中で多くを得たという「Any」は、自然への憧憬が結実した名曲。

MIKE WESTBROOK CONCERT BAND

Love Songs

不安を取り除く効果がある、懐の深いノーマ・ウィンストンのヴォーカリゼーションに癒される、祈りのフィーリング、甘美なメロディが詰まった英国ジャズ・ロック名盤『Love Songs』。浄化するように染み込んでくる、フリー・ジャズ世代による、自由と解放をもたらす至福のビッグ・バンド・アンサンブル。音楽って本当にいいなぁ、と実感したい人にぜひ。

GAVIN BRYARS

The Sinking Of The Titanic

北大西洋上で氷山に衝突した後も沈没する瞬間までデッキの上で演奏され続けた、とても美しいメロディを持つ賛美歌「オータム」が冷たい海の底で永遠に演奏される、悲しい事実に基づいた『タイタニック号の沈没』。ブライアン・イーノが立ち上げたオブスキュア・レーベルの第一弾としてリリースされてから、20 年後にリ・コンポーズされた本作。この一条の光りがどこにもない、かけがえのない1枚になりますように。

ワンダーフォーゲルな一枚

SIGUR ROS

Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust

遠い遠い氷の国。シガー・ロスはいつも広大で果てしない大自然に溶け込む音楽を奏でてくれる。ひずんだギターが空に響き、ヨンシーの切なくてはかない歌声が、鋭く透き通った空気にこだまする。今回、5枚目のアルバムで初めてアイスランドの首都、レイキャビクのスタジオを離れて、ニューヨーク、ロンドン、ハバナと初の海外録音を遂行。環境や人選の変化と共に新しい試みが反映され、シンプル克つより温かくてオーガニックな音に仕上がった。旅の気分を120%向上させるアルバムだ。

BIBIO

Vignetting The Compost

70’sフォークを彷彿させるアコギの音色やコーラスを、テープを伸ばしたような音響処理で意識的にゆがませ、ひずみやノイズに絡めていく。ボーズ・オブ・カナダ直系のザラついたエフェクト加工を施したかすみがかった音は、ブラジリアン・サイケやアシッド・フォークを現代に進化させ蘇らせた。普遍的な人間らしさを極力抑え、抽象的で洗練された無機質感を打ち出し唯一無二のオリジナル・サイケデリアを完成させている。

LITTLE TEMPO

山と海

数々の名作を世に送り出したインストルメンタル・バンド、リトルテンポ。彼らのこの10年の活動は、基本的スタイルを変えずにバンドとしての向上をただひたすら追求してきたようにも思える。本作はそんな活動全てが凝縮された彼らの最高傑作だ。「山と海」のように日々変わらない事の大切さと大変さがよくわかる。ここに録音された曲の音の一粒一粒にその答えがつまっている。

SIGUR ROS

Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust

遠い遠い氷の国。シガー・ロスはいつも広大で果てしない大自然に溶け込む音楽を奏でてくれる。ひずんだギターが空に響き、ヨンシーの切なくてはかない歌声が、鋭く透き通った空気にこだまする。今回、5枚目のアルバムで初めてアイスランドの首都、レイキャビクのスタジオを離れて、ニューヨーク、ロンドン、ハバナと初の海外録音を遂行。環境や人選の変化と共に新しい試みが反映され、シンプル克つより温かくてオーガニックな音に仕上がった。旅の気分を120%向上させるアルバムだ。

MIA DOI TODD

Gea

日本人とアメリカ人のハーフのミア・ドイ・トッドこと土井美亜さん。とてもナチュラルな雰囲気が素晴らしい本作はその親しみやすさゆえ、どこか懐古的であるけれども、決して古さを感じさせないアルバム。アコギやシタールやバイオリンなど弦楽器とコンガなどのパーカッション、そして彼女のソウルフルな声の相性はどこを切り取っても素晴らしく、落ち着いた心地でアルバム一枚を楽しむことができる。

LARRY HEARD

Sceneries Not Songs,Volume One.

ミスター・フィンガースことラリー・ハードの最高傑作とも呼び名も高いこのアルバムは、全編ハウス・ミュージックだけではなくスロウ・テンポな曲も多い内容。 シカゴ・ハウス直系のリズム・マシンやシンセサイザーなどで作られているにも関わらず、彼の作品はオーガニックささえ感じてしまうほど聴き手にとても優しい。エレクトロニカ・ファンにも手に取って欲しいアルバムだ。”Summertime Breeze”が最高。

YO LA TENGO

And Then Nothing Turned Itself Inside-Out

2001年にリリースされたヨラテンゴの11枚目のアルバム。それまでの彼らのアルバムよりも物静かではあるが、同時に狂気を感じさせるようなテイストで、その作風は後の作品へと続く。優しい歌声とブラシで叩くドラムが素敵な”Our Way To Fall”、リズムマシンの使い方がシンプルに利いている”Saturday”、”You Can Have It All”・・・など名曲ぞろい。Twilight Timeに聴く一枚。

初夏にとろける一枚

細野晴臣

トロピカル・ダンディー

還暦を過ぎても、その独特のユーモアで人々を微笑ませ、国内外のミュージシャンから計り知れない敬愛をうける、紛れもなく日本の最も重要な音楽家の一人、細野晴臣。ヴァンダイク・パークスや、マーティン・デニーから影響されたオリエンタリズムと、南国的なエキゾチックサウンドを軸に、はっぴいえんどを経て YMOへと移行する、濃いグラデーションの海を漂うような”細野サウンド”の金字塔。日本のポップスシーンの礎を築いたティン・パン・アレーによるグルーヴ感とも相俟って、このタイミングでしか生まれ得なかった歴史的名盤に。

BENNY SINGS

Benny…At Home

スケートボードに乗ったトッド・ラングレン!やんちゃな風貌からは想像できない、最高に上質なソングライティング。ジャザノヴァのレーベルからリリースというのも納得のビート感覚と、キリンジにも似た独特の気持ちよさを感じるメロディーライン。そしてマイケル・フランクスを彷彿とさせるエヴァーグリーンな美声。彼の音楽アーカイブを軽々とポップスに消化させるセンスに脱帽。今後が最も楽しみなアーティストの一人。

BILL EVANS

From Left To Right

ビル・エヴァンスがフェンダー・ローズを弾く隠れた傑作。グランドピアノと電子ピアノを絶妙に溶け込ませ、優雅かつ哀しげなオーケストレーションも交えた、まるで映画音楽のようにロマンチシズム溢れるアルバム。ローズのソリッドながらも優しい音色がエヴァンスのリリカルなスタイルをより一層甘美なものにしていて実に見事。ルイス・エサ作の軽快なボッサ”Dolphin”や、涙腺が弛むほど美しい名曲”Soiree”など、まさに夢見心地な一枚。

HOCUS POCUS

Place 54

BUILD AN ARKの1 stと並ぶほどの名盤!との誉れも高い、フランスの誇るライヴ・ヒップホップ・バンド、ホーカス・ポーカスの傑作2nd。天才ビートメイカー& MCのヴァンシールの創り出す歌心あるクールなトラックと、ファンクネス溢れたホーンやギター、そして違和感なく差し込まれるスクラッチ&サンプリング。それらの見事なまでの融合はツボをついたゲストボーカル相俟って流石。曲単位の完成度の高さがピカイチ。

山本精一・PHEW

幸福のすみか

現在形パンクバンドMOSTでも共に活動する、ボアダムスの山本精一と、70年代にそのキャリアをスタートさせた、アヴァンギャルドな女性シンガーPHEW(フュー)とのアルバム。
山本精一ならではの、すぐに口ずさめるメロディアスなフォークサウンドと、PHEWのどこか狂気を孕んだ、独特な歌詞の世界観と無機質な歌が溶け込み、聴く者を心地よく圧倒する。不思議な脱力感と緊張感を覚え、癖になりそうな感覚に陥る、唯一無二の一枚。

TOMMY GUERRERO

Loose Grooves & Bastard Blues

ジャック・ジョンソンやマニー・マークなどともアルバムを制作する、西海岸のストリートカルチャーの旗手トミー・ゲレロの傑作1 st。波に漂うようなテンポ感と風通しのよい密度のブレイクビーツ、そしてスウィート&メロウなメロディーを奏でるギターが最高にリラックスしたグルーヴを生み出す。もとは自身のスケートビデオのBGMの為に作ったアルバムながら、いつまでも色あせないマスターピースに。

MILLENNIUM

Begin

Nobodyのサンプリングで有名なT-1から始まる”ソフト・ロックの金字塔”。莫大な時間と費用をかけて作られたミレニウム唯一のこのアルバムは、実験性が強すぎるということで当時は評判にならなかったが、そのファンタジーを思わせる色めく世界は、今聴いても驚きと感動を覚えるばかり。甘く幻想的な音世界、淡く美しいコーラスワーク。8ミリムービーを観ているかのようなアルバム。

JOE MOONEY

On The Rocks

盲目のアコーディオニスト、ジョー・ムーニーとそのカルテットによる1957年のアルバム。アコーディオンのまろやかながらも歯切れのよいスウィング感と、本人の囁くような甘いヴォーカル。クラリネット、ギター、べースが優しく同居し、エレガントながらもウィットに富んだ演奏は、誰もが穏やかな気持ちになれる、数あるアコースティック・スウィングの中でも一際メロウな名盤。

JOSE GONZALEZ

In Our Nature

ニック・ドレイクを彷彿とさせる、儚く甘美な歌声と、様々な表情をみせるガットギターの音の粒。その卓越したテクニックから生み出される、メトロノームのように心地よく、ミニマルミュージックにも聞こえる独特のグルーヴ感が、聴く者を神秘的な世界へ誘う。弦が切れそうな程、徐々に荒々しくなるアルペジオが印象的な、マッシブ・アタックのカバー”Teardrop”が穏やかな興奮をもたらす。

DAMON & NAOMI

Damon & Naomi with Ghost

敬愛する日本のグループ、ゴーストとのコラボレーションによる、デーモン&ナオミの最高傑作との呼び声も高いアルバム。アコースティック楽器によるどこか懐かしさを覚える、切なくも穏やかで美しいメロディと、温かみのあるデーモンと透明なナオミのヴォーカルによって繊細に紡ぎ出される歌が、優しく心に響く名作。

声で選ぶ一枚

BATTLES

Mirrored

ストイックで緻密、変拍子を多用する幾何学的インスト・サウンドを鳴らす過去作から、鮮やかにバトルス流のポップさを提示してみせた、意外にも本作がファースト・アルバムとなるポストロック・バンド、バトルス。タイヨンダイ・ブラクストンのエフェクティヴなボーカルを初めてフィーチャーし、祝祭的な雰囲気さえ溢れる07年リリースの傑作デビュー・アルバム!
ぎゅっと濃密に凝縮された音楽的エネルギーや、知性と快楽をない交ぜに緊迫していく、そのテンションの高さが本当にかっこいい1枚!昨今のポスト・ロック〜ハードコアなバンドの中でも、オリジナルな発想と強靭な演奏共に、他の追随を許さぬ確固たるサウンドを築き上げ、圧倒的な演奏能力に裏付けられた超強力作!

PREFUSE 73

Preparations

サイケな温かみあるビートに、選りすぐりのボイス・サンプルを刻み込み、精巧なるヒップホップ×エレクトロニカの世界を展開するプレフューズ73ことギルレモ・スコット・へレン。カット・アップも冴え渡り、オーケストラル・サウンドも巻き込みながら、煌びやかでバウンシーなサウンド繰り広げる、キャリアの総括とも言える2枚組4thアルバム!スクール・オブ・セヴン・ベルズをフィーチャーしたシングル・トラックを含むディスク 1。またディスク1をオーケストラ・サウンドで再構築したディスク2まで、その手腕を最大限に発揮したフルボリュームなアルバム!

HELIOS

Eingya

ゴールドマンド名義としてもピアノ・アンビエント作を積極的に制作し、映画やCMへの楽曲提供等、着実に活躍の場を広げる、キース・ケニフによるソロユニット、ヘリオスの傑作セカンド・アルバム。おおらかでオーガニックなダウンビート、アコースティックなサウンドに彩られ、完成された1つの世界を構築し得た出世作!細切れなボーカルや、サンプルされたベルカントのコーラスが不意に現れる瞬間は実に感動的で、時に雄弁でさえある、姿かたちのない気配、記憶を手繰り寄せるようにして聴きたい、イマジネーションを沸き立たせる傑作!

DREAMEND

Long Forgotten Friend

シューゲイズを通過後フォーキーなオルタナティヴ・サウンドを獲得し、ピアノ、バンジョーなど、耳に心地良いアコースティック・サウンドが、親密なまでにボーカルに寄り添う、シカゴのグレイヴフェイス・レコードの主宰者リャン・グレイヴフェイスを中心とするドリームエンド。ハッピー・プリンスの再始動と共に登場した、これまでのレーベルカラーの新たな側面を印象付ける、構築的なサウンドから、しなやかに視点をぶらす様な佇まいが心憎い1枚!

BEIRUT

Flying Club Cup

東欧を単身旅した記憶を詰め込んだ、06年作『GULAG ORKESTAR』でデビューし、21歳の青年とは思えない程に、甘く深みのある歌声を聴かせるベイルートことザック・コンドンのセカンド・アルバム。バンドネオンやストリングスが持つ哀愁の音色、ロマ/ジプシーなど東欧トラッド・ミュージックの持つ土気と温もりを染み込ませた牧歌的なバンド・サウンドが、ノスタルジーを味方に新たなファンタジーへと誘う!

THE BOOKS

Lost And Safe

ファースト『Thought For Food』で鮮烈なデビューを果たし、知性と好奇心が入り混じるコラージュのようなフォーキー・サウンドを進化させた、NY出身のエレクトロニカ・ユニットTHE BOOKS。本作は冒険へと漕ぎ出す様なわくわくした気持ちを届けてくれる傑作サードアルバム!ポエトリー・リーディングやサンプルを用い、ピュアでヒューマニティに満ちた世界を表現。彼等が伝える未踏峰からの眺めは、鼓動の高まりと爽やかな感動を約束してくれるはず!

DOUG CARN

Infant Eyes

妻ジーン・カーンのスピリチュアルな歌声で幕を開ける、ブラック・ジャズ・レーベルの顔とも言えるアーティスト、ダグ・カーン(key)の初作。
ディ・ディ・ブリッジウォーターによるムードあるカバー・アレンジでも聴くことのできる、躍動感にあふれた演奏が魅力の “Little B’s Poem “は、ハモンドオルガンとスキャットの絡みが、最高にワクワクできるダンサブルなナンバー。卓越した演奏に伸びやかに木霊する歌声、その全てに身も心も満たされる1枚!

DEE DEE BRIDGEWATER

Afro Blue

丸坊主に穏やかな表情を浮かべるジャケットとは裏腹に、パワフルなボーカルを聴かせる、ディ・ディ・ブリッジウォーター。本作は実の兄弟と共に録音・構成したファースト・アルバム。
冒頭のざわめき感に鳥肌が立つ、原曲はアフリカン・トラッドの”アフロ・ブルー”に始まり、アーシーな手触りも感じさせる伸びやかな歌声を存分に聴くことのできる、珠玉のジャズ・ボーカル・アルバム。ホーンの如く突き抜けるディ・ディのアドリブやスキャットが痛快!

V.A .

Le Mystere Des Voix Bulgares

スイスのオルガニストであり民族音楽学者のマルセル・セリエが、約15年に渡りブルガリア各地を周り、合唱コンテストなどで選ばれた、全くのアマチュアである農村の少女達の民謡を中心にまとめた独唱・合唱曲。
歌声がぶつかりながらエネルギッシュに共鳴・膨張する、ベルカント唱法によって生まれる豊かな響きは、心身が洗い尽くされるかの様な強烈な神秘体験をもたらすかも!合唱ならではのダイナミズムやスケールの壮大さに、一気に意識を持っていかれる驚愕の1枚。是非!

午睡に誘う一枚

KENNY RANKIN

Silver Morning

ケニー・ランキン自身、「最も愛着のある作品」と語りながら、唯一CD化されていなかった74年リリースの通産4枚目となる大傑作アルバム。ビートルズ、カーティス・メイフィールド、バーデン・パウエルなどの名曲に、ジャズ、ブラジル音楽などのエッセンスを小粋に織り交ぜ、都会的センスで染め上げた洒脱で洗練されたメロウ・サウンドと、凍えた心を溶かすような優しく艶やかな歌声が溶け合い、あまりに贅沢な幸福感をもたらす、この先何年たっても決して色褪せる事のない、天上の一枚。それは午睡の幸せそのもの!

ART GARFUNKEL

Watermark

78年にリリースされたソロ3作目となる、最も彼が敬愛する名SSWジミー・ウェブの曲でほぼ占められた珠玉の作品集であり、発売から30年たった今こそ改めて聴き直したい一枚。ジミーの瑞々しくもどこか哀愁を湛えた曲を、アートが”天使の歌声”とも称される透き通るような声で歌い上げた名曲の数々。ジャケット写真のように陽光の下、デッキチェアーに座って穏やかな時の流れに身を任せウトウトと、、、。

YUICHIRO FUJIMOTO

Mountain Record

幅広い分野で活躍するアーティスト、藤本雄一郎さんが、ドイツの音響レーベルAHORNFELDEから06年にリリースした作品。フィールド・レコーディングされた何気なくもかけがえのない日常の環境音と、一音一音が大切に紡がれていくギター、ピアノ、ハーモニカなどの楽器音が優しく溶け合って、「幸福」としか言いようのない空間に包まれてゆく。木漏れ日そのもののようなこの音の響きに身を任せれば、ほらいつの間にか、、、。

JULIE DOIRON

Heart & Crime / Desormais

ブルース・コバーン等、素晴らしいSSWを多く輩出するカナダ出身のSSW、ジュリー・ドワロンの2枚の傑作アルバムをカップリングした珠玉の一枚。まるで白い吐息のように囁かれる繊細な歌声、そっとそれに寄り添うように丁寧に紡がれてゆくギターの暖かい音色は、まるで深々とした真冬のモノクロ世界に仄かに灯る燈火のよう。暖かい部屋から冬空を眺めながら、真冬の午睡の幸せに浸りたい。

BILL EVANS

Waltz for Debby

今も多くのジャズファンに愛され続けている、ビル・エヴァンス・トリオによる歴史的名盤。ライブならではの張り詰めた緊張感の中、エヴァンスのどこか翳りを帯びたリリカルなピアノが奏でる甘くロマンティックなメロディ、このライブの11日後に不慮の事故で亡くなるベースのラファロとの絶妙なインタープレイには何度聴いても魅了される。コーヒーの薫りが仄かに漂う、優雅な午睡の一時に最適。

BEN WATT

North Marine Drive

EBTG結成以前の82年にリリースされたベン・ワット唯一のソロ・アルバムにして、今でも名盤として多くの人に愛され続けている一枚。その余りにナイーブで儚げな歌声と、ディレイがかったギターから生まれるセンシティヴなメロディに胸が締め付けられ、忘れかけていた遠い昔の淡い思い出が呼び覚まされる。その余韻におぼろげな記憶を辿りつつ、浅い眠りに落ちてゆく。

KENNY RANKIN

Silver Morning

ケニー・ランキン自身、「最も愛着のある作品」と語りながら、唯一CD化されていなかった74年リリースの通産4枚目となる大傑作アルバム。ビートルズ、カーティス・メイフィールド、バーデン・パウエルなどの名曲に、ジャズ、ブラジル音楽などのエッセンスを小粋に織り交ぜ、都会的センスで染め上げた洒脱で洗練されたメロウ・サウンドと、凍えた心を溶かすような優しく艶やかな歌声が溶け合い、あまりに贅沢な幸福感をもたらす、この先何年たっても決して色褪せる事のない、天上の一枚。それは午睡の幸せそのもの!

PALLIN

Bright Moments

TAPEのメンバーを擁するスウェーデンのインスト・カルテット、PALLINの日本デビューアルバム。
繊細に爪弾かれるギターと、流麗な軌跡を描くチェロによって紡がれてゆく穏やかなメロディに、エレクトロニクスを効果的に配した叙情的サウンドは、どこか牧歌的な田園風景を想わせる。この柔らかな煌きに満ちたメロディに包まれながらのお昼寝は、ただただ至福の一言。

とっておきのビア盤

THE WOODEN GLASS FEATURING BILLY WOOTEN

Live

「ファンクの神様が舞い降りた」とまで讃えられる伝説の一夜を収めた奇跡のライヴ盤にして、マッドリブやナウ・アゲイン主宰者イーゴンらも愛してやまないジャズ・ファンク・アルバムの歴史的名作。ヴィブラフォン奏者ビリー・ウッテンを中心にしたザ・ウドゥン・グラスが熱く刻む、息つく暇もない程に駆け抜ける白熱のオープニングから、緩やかに漂うヴァイブの音色も心地良いメロウなナンバー、観客の熱狂も含め全てが沸点に達する歓喜のラストまで、乱舞し、吹きこぼれる程に高まるグルーヴに悶絶!
その興奮で、一体どれだけ飲み続けてしまうかわからない、これぞ最高のビア盤!

ANNE BRIGGS

The Time Has Come

僅か2枚のアルバムを残して表舞台から姿を消した、ブリティッシュ・トラッド・フォークの伝説的存在、アン・ブリッグス。その曇りのない澄んだ歌声で、聴く者をおとぎ話にも似た幻想的な世界へと穏やかに誘う名作アルバム。エコーに包まれた清らかな歌に心洗われる、本作にも携わり、深く親交のあったバート・ヤンシュにもカヴァーされた表題曲T-6など、今の季節の爽々しい空気がすっと馴染む珠玉のフォーク・ソングを側に、気持ちよく晴れた休みの日は昼からゆっくりビールでも。

TUJIKO NORIKO

Solo

メゴ、トム・ラブ、ルーム40など海外の名門音響レーベルからのリリース、青木孝允やリョウ・アライなどとのコラボレーション作を経て生まれた、ツジコ・ノリコの唯一無二の世界観が溢れ出した大傑作。目の前にある真実として、儚くもかけがえのない”存在”そのものの尊さを呪文のように呟く名曲「マジック」から紐解かれる、母となったツジコ・ノリコが静かに囁く真夜中の子守唄。一日の終わりに飲むビールの苦みが、一際じんわりと染み渡る、ひとりそっと耳を傾けたい歌の数々。 

DJ CAM

Underground Vibes

ジャズの香りを濃厚に纏い、揺らめくように描かれるアブストラクトな音像が、夜のムードを優美に彩る、時の経過を全く感じさせないDJカムのデビュー作。ゆったりと脈打つ憂いあるビートに、艶かしいジャズ・サンプルを流麗に浮かべ、都会の夜景に映えるディープな響きを編み上げた大傑作。いつもとは少し雰囲気を変えて、グラスに注いだビールを飲みたくなる一枚。

THE BEACH BOYS

Pet Sounds

アニマル・コレクティヴなど、今だに多くのアーティスト達にその影響を与え続ける永遠の名作。ブライアン・ウィルソンの頭の中で鳴り響き夢想した世界が、どこまでも温かく、そして切なく胸に迫るポップ・アルバムの金字塔。聴けば聴く程に本当に素晴らしいと思えるメロディー、愛と希望と孤独を綴った内省的な歌詞とが織りなす幸福の歌を、みんなで楽しく口ずさんで何度も乾杯!

LULA CORTES E ZE RAMALHO

Paebiru

オリジナルは今や入手困難、中古市場では十万以上で取引きされる、ブラジリアン・サイケ幻の傑作。ジャズ、ファンク、フォークや民族音楽などの要素が混沌と押し寄せる中から、幻のように現れるフルートやギターの音色も印象的な、闇鍋の如き危険度をもった怪作。目が回った泥酔状態の時にこそしっくりきそうな、いくら頬を抓ってみても抜け出せない驚愕のアシッド・トリップ体験!

SIR VICTOR UWAIFO

Guitar-Boy Superstar 1970-76

カリブ〜南米〜アフリカなどに埋もれるレア音源を発掘/再発し、08年は特に素晴らしいリリースが続いた英サウンドウェイから登場した、タイトル通りナイジェリアのヒーローであるサー・ヴィクター・ウワイフォの、大らかさと緩さがとにかく心地良い、絶品のエレクトリック・ハイライフ・サウンドを堪能できる一枚!暑い国のビールを片手に、何も考えず、だら〜っと過ごすにはうってつけ!

V.A

This Is Melting Pot Music

みんなで飲んで、気持ち良くホロ酔いになってきたところで、全曲外れ無しのこんなアルバムにBGMをこっそりチェンジ!ビールの本場ドイツのメルティング・ポット・ミュージックのレア音源が詰まった一枚は、レフティーズ・ソウル・コネクションをはじめ、疾走感あるドラムブレイクも最高なT-9など、脳を覚醒させるフレッシュな現在形ディープ・ファンク満載!濃いめのビールにはコレを是非!

SAM COOKE

Live At The Harlem Square Club, 1963

心の底から本当に出会えてよかったと思える、ゴスペル・シンガーとしてのサム・クックを目の当たりにするライヴ・アルバム。荒々しく時に掠れながら、熱いソウルとフィーリングを露にする力強い歌声、呼吸のように共振するバンドの演奏、そして観客の熱狂、全てが一体となった奇跡の瞬間。つまらない悩みや悲しみが一瞬で吹き飛ぶ、言葉にならない大きな感動を抱えて、もう一杯!!

夜に木霊する一枚

ANOMALY

The Long Road

ストリングスなどの楽器音を織り込んで、サイケデリックな煌めきと温もり、浮遊感にも彩られた、リリカルなサウンドスケープを、ザラついたビートにのせて優美に描き出す。陰影色濃いアブストラクトなブレイクビーツ。叙情的ムードが横溢する夜の始まりを告げる、シネマティックな響きが闇の中に木霊し、聴く者の心をゆったりと運ぶように、美しく乾いた風景が移ろう。シカゴのビートメイカーが鮮やかに綴る、夢想に彩られた夜が到来する。

TAMAS WELLS

Two Years In April

情勢不安なミャンマーで医療プロジェクトに従事する、オーストラリア人シンガー。その澄んだ穏やかな歌声で、柔らかに歌われるメランコリックな物語をのせ、殆どギターとバンジョーだけで紡がれた、温もりある叙情的なメロディーが軽やかに流れていく。瑞々しい響きを優美に紡ぐ、その眼差しはどこか哀しくて、限りなく優しい。

MATHIEU RUHLMANN & CELER

Mesoscaphe

現在はその役目を終え展示されている潜水艦が纏った航海の記憶を、拾い集め、
動を呼び覚ますディープ・アンビエンス音像。まるで名作『タイタニック号の沈没』の陰画の如き、翳りある響きが優美に漂い、虚構であるはずの潜水艦の記憶が、万感の思いに胸を充たす。

DDAY ONE

Heavy Migration

メランコリアとリリシズムを纏い、ラフな質感のサンプルとワイルドなドラムで編んだ、憂いに翳るなビートが、煙るような闇の中に力強く木霊する。70年代のディープなスピリチュアル・ジャズから受け継いだかのような気構えを胸に、組み立てられたアブストラクトなインスト・ブレイクビーツ。
その深さに感動し、強度と覚悟に打ちのめされる。ジャンルを問う前に感じることがあるはず。聞き流す事など出来ないディープな響きに感じることがあるはず。

ROD MODELL

Incense & Black

底の見えないベルリンの深海で鳴り響くミニマルなダブ音響に呼応して、そのルーツの地である聖地デトロイトで、ユラユラと揺らめくディープな響きを奏でるロッド・モデル。
淡々とビートが鼓動する中、どこまでも下降して行くような雨に煙る漆黒の音像が聴く者を包み込む。そしてその中から突如、甘美とも言い得る叙情的な響きが浮き上がる様に果てしないカタルシスを覚える。

KELLEE PATTERSON

Maiden Voyage

柔らかに綴るメロウなサウンドにのせ、慈愛に満ちたスウィートな歌声が穏やかに流れ、美しいムードが広がる。アルバム全篇に漂う浮遊感あるフルートも効果的に、優しく寄り添うような響きが、仄かな切なさを纏って、ゆっくりと胸を充たす。澄んだ瞳も眩しい美貌の女性シンガーが70年代前半に残した、愛おしいボーカル・アルバム。夢心地の叙情に心地良く、ゆったりと身を浸したい。

SHIMA & SHIKOU DUO

Road To The North Deep

トランペット&ピアノ、2つの音色が手を結び、流麗な軌跡を描く、どこか翳りある叙情的な旋律をスムーズに綴っていく。時に柔らかに、時にエモーショナルに。時にゆったりと、時に駆けるように。陰影濃いモノクロームなクールネスを身に纏いながらも、どこか温もりをも感じさせる端正なジャズが夜の時間を美しく彩る。デュオというシンプルな形態で豊かに紡ぐリリシズム。

SMOG

A River Ain`t Too Much To Love

90年代に始まるそのキャリアを一貫して、いかなる状況にあろうとも強い「ひとり感」を放ち続けて来たスモッグ。シンプルなサウンドにのせ、拭い難い諦念を纏ったボーカルが呟くように口ずさむ。いかなる深い哀しみも決して声高に語られる事のない、その独特のムードによろめく歌が、気がつけば静かに側に寄り添い、じんわりと胸を充たしていく。

TAKAHIRO KIDO

Fleursy Music

ギターやヴァイオリン、ピアノや環境音などが柔らかに彩り、繊細に綴られる、オーガニックなムードに息遣く、甘美なエレクトロニカ・アンビエンス。細波のように滑らかな軌跡を描いて流れいく、眩くファンタジックな響きが様々な風景を映し出す、浮遊感に満ちた優美なサウンドスケープが、どこか懐かしく、穏やかな感動を運ぶ。

ARVO PART

Alina

沈黙の中に浮かび流れる美しい響きが、柔らかな叙情を浮かべ、ゆっくりと歩を進める。穏やかに繰り返され、緩やかにその表情を移ろわす、儚い弦楽器とピアノだけで紡がれた、澄んだ清らかな世界。深淵な沈黙と向き合う者だけが奏でられる静謐な響きが、全てが鳴り止んだ果てにゆっくりと立ち現れて、再び静寂へと記するように溶けていく。

旅する一枚

ANOMALY

The Long Road

ストリングスなどの楽器音を織り込んで、サイケデリックな煌めきと温もり、浮遊感にも彩られた、リリカルなサウンドスケープを、ザラついたビートにのせて優美に描き出す。陰影色濃いアブストラクトなブレイクビーツ。叙情的ムードが横溢する夜の始まりを告げる、シネマティックな響きが闇の中に木霊し、聴く者の心をゆったりと運ぶように、美しく乾いた風景が移ろう。シカゴのビートメイカーが鮮やかに綴る、夢想に彩られた夜が到来する。

TAMAS WELLS

Two Years In April

情勢不安なミャンマーで医療プロジェクトに従事する、オーストラリア人シンガー。その澄んだ穏やかな歌声で、柔らかに歌われるメランコリックな物語をのせ、殆どギターとバンジョーだけで紡がれた、温もりある叙情的なメロディーが軽やかに流れていく。瑞々しい響きを優美に紡ぐ、その眼差しはどこか哀しくて、限りなく優しい。

MATHIEU RUHLMANN & CELER

Mesoscaphe

現在はその役目を終え展示されている潜水艦が纏った航海の記憶を、拾い集め、
動を呼び覚ますディープ・アンビエンス音像。まるで名作『タイタニック号の沈没』の陰画の如き、翳りある響きが優美に漂い、虚構であるはずの潜水艦の記憶が、万感の思いに胸を充たす。

DDAY ONE

Heavy Migration

メランコリアとリリシズムを纏い、ラフな質感のサンプルとワイルドなドラムで編んだ、憂いに翳るなビートが、煙るような闇の中に力強く木霊する。70年代のディープなスピリチュアル・ジャズから受け継いだかのような気構えを胸に、組み立てられたアブストラクトなインスト・ブレイクビーツ。
その深さに感動し、強度と覚悟に打ちのめされる。ジャンルを問う前に感じることがあるはず。聞き流す事など出来ないディープな響きに感じることがあるはず。

ROD MODELL

Incense & Black

底の見えないベルリンの深海で鳴り響くミニマルなダブ音響に呼応して、そのルーツの地である聖地デトロイトで、ユラユラと揺らめくディープな響きを奏でるロッド・モデル。
淡々とビートが鼓動する中、どこまでも下降して行くような雨に煙る漆黒の音像が聴く者を包み込む。そしてその中から突如、甘美とも言い得る叙情的な響きが浮き上がる様に果てしないカタルシスを覚える。

KELLEE PATTERSON

Maiden Voyage

柔らかに綴るメロウなサウンドにのせ、慈愛に満ちたスウィートな歌声が穏やかに流れ、美しいムードが広がる。アルバム全篇に漂う浮遊感あるフルートも効果的に、優しく寄り添うような響きが、仄かな切なさを纏って、ゆっくりと胸を充たす。澄んだ瞳も眩しい美貌の女性シンガーが70年代前半に残した、愛おしいボーカル・アルバム。夢心地の叙情に心地良く、ゆったりと身を浸したい。

SHIMA & SHIKOU DUO

Road To The North Deep

トランペット&ピアノ、2つの音色が手を結び、流麗な軌跡を描く、どこか翳りある叙情的な旋律をスムーズに綴っていく。時に柔らかに、時にエモーショナルに。時にゆったりと、時に駆けるように。陰影濃いモノクロームなクールネスを身に纏いながらも、どこか温もりをも感じさせる端正なジャズが夜の時間を美しく彩る。デュオというシンプルな形態で豊かに紡ぐリリシズム。

SMOG

A River Ain`t Too Much To Love

90年代に始まるそのキャリアを一貫して、いかなる状況にあろうとも強い「ひとり感」を放ち続けて来たスモッグ。シンプルなサウンドにのせ、拭い難い諦念を纏ったボーカルが呟くように口ずさむ。いかなる深い哀しみも決して声高に語られる事のない、その独特のムードによろめく歌が、気がつけば静かに側に寄り添い、じんわりと胸を充たしていく。

TAKAHIRO KIDO

Fleursy Music

ギターやヴァイオリン、ピアノや環境音などが柔らかに彩り、繊細に綴られる、オーガニックなムードに息遣く、甘美なエレクトロニカ・アンビエンス。細波のように滑らかな軌跡を描いて流れいく、眩くファンタジックな響きが様々な風景を映し出す、浮遊感に満ちた優美なサウンドスケープが、どこか懐かしく、穏やかな感動を運ぶ。

ARVO PART

Alina

沈黙の中に浮かび流れる美しい響きが、柔らかな叙情を浮かべ、ゆっくりと歩を進める。穏やかに繰り返され、緩やかにその表情を移ろわす、儚い弦楽器とピアノだけで紡がれた、澄んだ清らかな世界。深淵な沈黙と向き合う者だけが奏でられる静謐な響きが、全てが鳴り止んだ果てにゆっくりと立ち現れて、再び静寂へと記するように溶けていく。

ピアノを聴く一枚

ANOMALY

The Long Road

ストリングスなどの楽器音を織り込んで、サイケデリックな煌めきと温もり、浮遊感にも彩られた、リリカルなサウンドスケープを、ザラついたビートにのせて優美に描き出す。陰影色濃いアブストラクトなブレイクビーツ。叙情的ムードが横溢する夜の始まりを告げる、シネマティックな響きが闇の中に木霊し、聴く者の心をゆったりと運ぶように、美しく乾いた風景が移ろう。シカゴのビートメイカーが鮮やかに綴る、夢想に彩られた夜が到来する。

TAMAS WELLS

Two Years In April

情勢不安なミャンマーで医療プロジェクトに従事する、オーストラリア人シンガー。その澄んだ穏やかな歌声で、柔らかに歌われるメランコリックな物語をのせ、殆どギターとバンジョーだけで紡がれた、温もりある叙情的なメロディーが軽やかに流れていく。瑞々しい響きを優美に紡ぐ、その眼差しはどこか哀しくて、限りなく優しい。

MATHIEU RUHLMANN & CELER

Mesoscaphe

現在はその役目を終え展示されている潜水艦が纏った航海の記憶を、拾い集め、
動を呼び覚ますディープ・アンビエンス音像。まるで名作『タイタニック号の沈没』の陰画の如き、翳りある響きが優美に漂い、虚構であるはずの潜水艦の記憶が、万感の思いに胸を充たす。

DDAY ONE

Heavy Migration

メランコリアとリリシズムを纏い、ラフな質感のサンプルとワイルドなドラムで編んだ、憂いに翳るなビートが、煙るような闇の中に力強く木霊する。70年代のディープなスピリチュアル・ジャズから受け継いだかのような気構えを胸に、組み立てられたアブストラクトなインスト・ブレイクビーツ。
その深さに感動し、強度と覚悟に打ちのめされる。ジャンルを問う前に感じることがあるはず。聞き流す事など出来ないディープな響きに感じることがあるはず。

ROD MODELL

Incense & Black

底の見えないベルリンの深海で鳴り響くミニマルなダブ音響に呼応して、そのルーツの地である聖地デトロイトで、ユラユラと揺らめくディープな響きを奏でるロッド・モデル。
淡々とビートが鼓動する中、どこまでも下降して行くような雨に煙る漆黒の音像が聴く者を包み込む。そしてその中から突如、甘美とも言い得る叙情的な響きが浮き上がる様に果てしないカタルシスを覚える。

KELLEE PATTERSON

Maiden Voyage

柔らかに綴るメロウなサウンドにのせ、慈愛に満ちたスウィートな歌声が穏やかに流れ、美しいムードが広がる。アルバム全篇に漂う浮遊感あるフルートも効果的に、優しく寄り添うような響きが、仄かな切なさを纏って、ゆっくりと胸を充たす。澄んだ瞳も眩しい美貌の女性シンガーが70年代前半に残した、愛おしいボーカル・アルバム。夢心地の叙情に心地良く、ゆったりと身を浸したい。

SHIMA & SHIKOU DUO

Road To The North Deep

トランペット&ピアノ、2つの音色が手を結び、流麗な軌跡を描く、どこか翳りある叙情的な旋律をスムーズに綴っていく。時に柔らかに、時にエモーショナルに。時にゆったりと、時に駆けるように。陰影濃いモノクロームなクールネスを身に纏いながらも、どこか温もりをも感じさせる端正なジャズが夜の時間を美しく彩る。デュオというシンプルな形態で豊かに紡ぐリリシズム。

SMOG

A River Ain`t Too Much To Love

90年代に始まるそのキャリアを一貫して、いかなる状況にあろうとも強い「ひとり感」を放ち続けて来たスモッグ。シンプルなサウンドにのせ、拭い難い諦念を纏ったボーカルが呟くように口ずさむ。いかなる深い哀しみも決して声高に語られる事のない、その独特のムードによろめく歌が、気がつけば静かに側に寄り添い、じんわりと胸を充たしていく。

TAKAHIRO KIDO

Fleursy Music

ギターやヴァイオリン、ピアノや環境音などが柔らかに彩り、繊細に綴られる、オーガニックなムードに息遣く、甘美なエレクトロニカ・アンビエンス。細波のように滑らかな軌跡を描いて流れいく、眩くファンタジックな響きが様々な風景を映し出す、浮遊感に満ちた優美なサウンドスケープが、どこか懐かしく、穏やかな感動を運ぶ。

ARVO PART

Alina

沈黙の中に浮かび流れる美しい響きが、柔らかな叙情を浮かべ、ゆっくりと歩を進める。穏やかに繰り返され、緩やかにその表情を移ろわす、儚い弦楽器とピアノだけで紡がれた、澄んだ清らかな世界。深淵な沈黙と向き合う者だけが奏でられる静謐な響きが、全てが鳴り止んだ果てにゆっくりと立ち現れて、再び静寂へと記するように溶けていく。

風が生まれる一枚

RF

Views Of Distant Towns

デジタルとアコースティックを融合させた2枚のアルバムで高い評価を受けたマルチ奏者、RFことライアン・フランチェスコーニ。村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』にインスパイアされ作り上げられた本作は、多様な生楽器が奏でる静穏な音色と、繊細な輝きを放つエレクトロニクス、微かに漏れ聴こえる透明なハーモニーが柔らかに溶け合う、間違いなく彼の最高傑作。プレイボタンを押した瞬間から、心地良く吹き抜けるそよかぜのように優しく広がるサウンドスケープは、見慣れた風景を仄かに彩り、日常に埋もれかけた大切な存在に気付かせてくれるに違いない。

RF

Views Of Distant Towns

デジタルとアコースティックを融合させた2枚のアルバムで高い評価を受けたマルチ奏者、RFことライアン・フランチェスコーニ。村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』にインスパイアされ作り上げられた本作は、多様な生楽器が奏でる静穏な音色と、繊細な輝きを放つエレクトロニクス、微かに漏れ聴こえる透明なハーモニーが柔らかに溶け合う、間違いなく彼の最高傑作。プレイボタンを押した瞬間から、心地良く吹き抜けるそよかぜのように優しく広がるサウンドスケープは、見慣れた風景を仄かに彩り、日常に埋もれかけた大切な存在に気付かせてくれるに違いない。

MILTON NASCIMENTO

Minas

独自のミクスチャー文化を背景に生まれる音楽と、楽器のように鳴り響く歌声で、MPB時代を代表する一人として知られるミルトン・ナシメントが、75年に発表した本作は、そんな彼が山に囲まれた長閑な田園風景広がる故郷、ミナスジェライスへの想いを綴ったもの。懐かしい景色を思い浮かべ、絶えず続く自然の営みに改めて感謝するかのように、ミルトンのファルセット・ボイスと子供たちのコーラスが共鳴し合う、鳥肌が立つ程美しい①から、大地より生まれた力強くしなやかな風が吹き始める。

羅針盤

福音

メンバーの悲痛な死によって解散となってしまった今も、人々を魅了してやまない羅針盤の、奇跡的なまでに温かく純度の高い5thアルバム。山本精一の穏やかで曇りのない歌と、時代の流れに左右されず、いつまでも色褪せることのない普遍的なポップ・ミュージックが心の奥まで浸透していく。最後までじっくり聴き入ると、目に映るもの全てを愛しく感じるほどに、澄みきった気持ちが呼び起こされる。まるで空気のようにフィットする温柔な風が聴く者を包み込む、涙溢れる感動の一枚。

ALICE COLTRANE

Huntington Ashram Monastery

東洋思想を携え、流麗なハープを操りスピリチュアルな世界を描いた、アリス・コルトレーン。ラシッド・アリのドラムと、ロン・カーターのベースが抑制された演奏の中で奏でるグルーヴも素晴らしく、アリスの清らかなハープの美しさも一段と際立つ、ジョン・コルトレーンの死から2年後に録音された作品。ハープが生み出す透明な風が、その死に捧ぐ鎮魂歌のように大きな安らぎを与える。

COCOROSIE

Noah’s Ark

長い間離れ離れに暮らしてきたビアンカとシエラのキャサディ姉妹が、パリで結束し誕生したココロージーが誘う、奇妙なノスタルジーに包まれた白昼夢のような世界。ホテルの部屋や納屋、彼女たちの家の中などで録音された一枚は、生楽器、環境音、テープなど様々な素材から生み出される脆く儚げな旋律に、二人の無垢で歪な歌声が寄り添い、夢と現実の間を彷徨う幻想的な風を生む。

ANDREW BIRD

Armchair Apocrypha

魔法のかかったような美しい口笛、伸びやかなバイオリンの音色。それらが穏やかな歌声で紡ぐ幸福なメロディと重なり、目の前の風景に温かに溶けていく。シカゴのSSW/マルチ楽器奏者、アンドリュー・バードが、ドッシュ名義などで知られるマーティン・ドッシュ全面参加のもとに完成させた最高のポップ・アルバムは、羽を広げた鳥たちを彼方へと運び、軽やかに舞い上がらせる気流のよう。

TAYLOR DEUPREE & CHRISTOPHER WILLITS

Mujo

NYの12Kを主宰するテイラー・デュプリーと、ギターを使ったメロディアスな作品で人気のクリストファー・ウィリッツが、『無常』をテーマにコラボレートした本作。細かに埋め込まれた清涼感ある電子音、温もりを湛えた楽器音がハーモニックに掛け合い、慎ましくたおやかな旋律と、乱反射するように煌く音のかけらを生む。心地良く肌を撫でる、涼やかでニュートラルな風が吹く一枚。

MAKER

Shooting The Breeze

シカゴのアンダーグラウンド・ヒップホップ・レーベル=ガラパゴス4から、トラックメイカー/プロデューサーとして活動するメイカーが発表した大傑作ソロ・アルバム。『生活に溶け込む音楽』をコンセプトに、多様なジャンルを横断し、それらを絶妙に混ぜ合わせた無国籍な空気を漂わす良質なインスト・トラックが、いつもとどこか違う匂いや湿度を孕んだ風を日常の中に緩やかに運ぶ。

BRIAN ENO

Discreet Music

『環境音楽』という言葉を広く認識させたブライアン・イーノが、自身のレーベルから発表した、彼の考えるアンビエント・ミュージックを世に示した記念碑的な一枚。渺茫とした新たな地平を浮かび上がらせるT-1や、パッヘルベルのカノンのループが、恐ろしく引き延ばされ、解体され、均質化していくT-2など、風がゆっくりと旋回しながら空に溶けていくような作品に息を呑む。

空にまつわる一枚

ARTHUR RUSSELL

Calling Out Of Context

実験とポップの間を軽々と行き来したミニマルなサウンドがフロアで偏愛された、今は亡きアーサー・ラッセル。仄かな高揚感をも湛えた温もりあるグルーヴに、力無いとも形容し得る穏やかな歌声をのせたリリカルな響きがエコーのなかに美しく木霊する。まるで自らの早過ぎる死を予感していたかのような、諦念をも映し出した、透明感ある声と響きが手を携え、ゆっくりと軽やかに空へと昇っていく。全てのアルバムがかけがえのない瞬間を永遠に閉じ込めた奇跡。

SORA

Re.Sort

流麗なるストリングスや柔らかな響きのピアノ、ヴィブラフォンなどの楽器音、水や加工された声/ボーカルなどのサンプルと、微細なるクリック/グリッチ・ビート、エレクトロニクス、細かく繋ぎ合わされた、アナログとデジタルの質感を持つ多様なマテリアルを繊細に折り重ね、溶け合わせ、紡ぎ出す、懐かしさと心地よい刺激を同時に感じさせるような、穏やかな空気が流れる、美しくも温もりある風景。京都在住のクロサワ・タケシによるソロ・プロジェクト、ソラの大傑作ファースト・アルバム。必聴!

JOHN HUDAK

Room With Sky

「晴れた日に日当たりのよい部屋にいる感覚を伝える。」そんな意図を持って綴られたあまりに美しいミニマル・アンビエンス。空へと向けて放たれた自身の声を幾度も加工・変形を繰り返し、仄かな叙情を漂わせた透き通るような繊細な響きを紡ぐ。全てが純化され結晶となって揺らめく、奇跡のような60分間。

BOREDOMS

Super Roots 9

「スーパーアー」で一気に天高く飛び去ったボアダムス。04年のクリスマス・イヴ・ライブを収録した本作では、24人の聖歌隊を従え、刻々と変化し続けるトライバルなグルーヴが軽々と空間の中を飛翔し、果てない上昇を志向する。眩いばかりの光が降り注ぎ、神々しいまでの感覚を覚える。この先ボアダムスは、いったいどんな高みに辿り着き、そこへと連れて行ってくれるというのか?

SUN RA

The Futuristic Sounds of Sun Ra

何百枚と言われる膨大なリリースの中で、一貫して宇宙=スペースへと眼差しを向けてきたサン・ラ。きらびやかな衣装と神話めいた言説故に、エキセントリックなイメージで語られがちだけれども、特にその初期に於いては、常に上を見続けたその視線の先に、エキゾチックなテイストと浮遊感を湛えた、アブストラクトなスウィング・ジャズが鳴っている。ここではない何処かを描くように。

DAEDELUS

Make Friends

空虚に乾いたロス・アンゼルスの空の下で夢想される、優雅なロマンチシズム。現在と過去を自在に行き来しながらエレガントなサウンドを紡ぐ、才人デイデラスの永遠の名作ファースト・アルバム。クラシックやラウンジ・ミュージックのサンプルを編み込んで、滑らかな軌跡を描き弾むブレイクビーツが、開放感ある空間にファンタジックに浮かび、美しく鳴り響く。

ROM

Rom

叙情に煙るアブストラクトなビートで人気のレーベル=ボタニカ・デル・ヒバロからのヒップホップでの活動で知られるアーティストが指向したポストロックなユニットの名作。ジャンルが交差する、しなやかでエモーショナルなグルーヴと美しい旋律を奏でる。柔らかく瑞々しいまでのオーガニックな感触に満ちた響きは、今にもあの空の向こうまで駆け出してしまいそうな気持ちにさせる。

FENNESZ

Endless Summer

終わらない夏の風景を、暮れゆく景色の中にセンチメンタルに映し出した、耳と心に優しいデジタル・アコースティック・ノイズ・アンビエンス。ふと見上げた空の中、季節の変化の僅かな兆しに気付き、楽しかった夏が去り行くことを感じるときに、誰の胸にも去来する切ないあの思いを、ゆったりと移ろうひとつの像へと結んだ、優美に響くメランコリックなサマー・ミュージック。

NICK DRAKE

Pink Moon

まるで仄かな明かりが消えるように、僅か26歳でこの世を去ったニック・ドレイクが最後に残した儚く美しい作品。全ての虚飾や衒いを脱ぎ捨てたギターとピアノだけのシンプルなサウンドに、繊細で柔らかな歌声をのせて綴る。多くの苦難を経て辿り着いた諦めという平穏な思いが結晶となった穏やかで温もりある響きが胸を打つ。そしてその境地に思いを馳せ見上げる空は、どこまでも透き通っている。

スピリチュアルな一枚

BUILD AN ARK

Peace With Every Step

サン・ラーのトリビュート・プロジェクトとしてスタートし、<9.11>以降の安息の地を求める精神の旅へと発展したスピリチュアル・ジャズ・リヴァイヴァルの最高峰、ビルド・アン・アーク。天才的なストーリー構成を発揮するカルロス・ニーニョのもと、トライブ、ニンバスを支えたフィル・ラネリン、ネイト・モーガンら伝説的プレイヤーの身体の奥深くに組み込まれた土着的でタフなブラック・ジャズの重要な演奏部分と、細かいセンスが光るヒップホップ的プロダクションが絶妙なバランスで溶け込む、この時代にしか生まれ得ないディープな仕上がりが格別。メランコリックな美しさ、躍動感と開放感が巧みに交錯し、圧倒的な音楽への愛情が胸を打つ本作。リリースから3年経った今も面陳し続けている、small musicクラシック。

BARDEN POWELL & VINICIUS DE MORAES

Os Afro Sambas

閃きに満ちたプレイでエモーショナルなフレーズを弾きまくる若きバーデン・パウエル、甘く柔らかい瞑想的なヴィニシウス・ヂ・モライスのヴォーカルにぴったり寄り添う、本作を荘厳なものにしている姉妹クァルテート・エン・シーの繊細でニュアンス豊かに響き合う神秘的な四声コーラス。アフロ的な泥臭さと美しい情感が漂う珠玉のトラックに、何十回聴いても心を鷲掴みされる、甘美な美しさを宿した本当に素晴らしい作品!

KAREN DALTON

In My Own Time

本作を最後に失踪してしまう故カレン・ダルトンが、名門ベアズヴィル・スタジオで録音したスピリチュアル・フォーキー名盤。若きボブ・ディラン、フレッド・ニールを虜にした憂いを含む唯一無二の嗄れたハスキー・ヴォイスがとにかく素晴らしく、中でも高揚感に包まれる、ジャッキーO・マザーファッカーもカヴァーした友人ディノ・ヴァレンテの名曲T-1、ザ・バンドとニーナ・シモンが地下室でセッションしているようなT-2の頭の2曲、切ない詩情に溢れた T-6は絶品!

ROBERT NACKEN

It Could Be So Easy

ゴアのビーチで夕日と共に録音された、デリケートでいて雄大、後半部の高揚感が鳥肌が立つ程カッコいいデビュー・シングル「Majomin」を収録した、ドイツのコンポーザーが05年に発表したテクノ/ハウス世代の為のヒプノティック・フュージョン作品。ロフト・クラシック「Highpriestess」は、これまで誰もやったことがない独特のアレンジメントが施された奇跡のトラック。ハードエッジな感覚と、スウィートでスピリチュアルな音世界の両方が楽しめる1枚。

ANTONY AND THE JOHNSONS

I am a Bird Now

その年の最優秀アルバムと絶賛された05年のセカンド・アルバム。聴いていると本当にいろんな感情が同時に溢れてくる、ピュアでダイレクトに心に響く、祈りにも似たボーカルは比類がないほど素晴らしく、感動的というよりも放心に近い状態に。ローリー・アンダーソンに「人生の中で聴くことになる最も美しいもの」と言われ、ルー・リードを魅了したデカダンスと希望を同時に感じる現代の賛美歌。神秘性を帯びたリッチな室内楽的アンサンブルの素晴らしさといいすべてが最高。

JON LUCIEN

Rashida

奇跡のカリビアン・シンガー、ジョン・ルシアンが73年にリリースした最高にロマンティックなクラブジャズ・クラシック。慈愛に満ちた低くて味わい深い声を器楽のように自由自在に使ったトラックの数々は、喩えようがない格別な美しさ。ブラジル/ジャズ/ソウル的な音楽要素を突き詰め、静かに燃えるような情熱と、デリケートな優しさが同居した唯一無二のブラック・ミュージック。波のサウンドを効果的に配した構成も素晴らしい、色褪せない輝きを持つ傑作アルバム。

にかスープ & さやソース

イピヤー

二人が持っている純度の高い声質、自由自在に声を操る器楽的なフレージングが最大限に発揮され、なにより歌うことの根源的な喜びに溢れている、HEADZ 傘下のオンライン・ショップ、ontonsonの新レーベルから満を持してリリースされた、二階堂和美さんと、テニスコーツさやさんのデュオ・アルバム。エンジニアとしてのさやさんの卓越したセンスが光る、爪弾かれたギターとヴォーカル/自然音が溶け合うミックスが秀逸。永遠に聴いていたい、賛美歌のように美しいT-7はじめ、とても心が洗われる作品。

部屋が片付く一枚

PENGUIN CAFE ORCHESTRA

Music From The Penguin Cafe

ファニーなミニマル室内楽。キモカワイイジャケで有名なPCOが1987年にリリースしたアルバム。’07年に惜しくも他界したサイモンジェフス率いるインストゥルメンタル楽団。弦・打楽器、現代音楽や民族音楽などあらゆる要素を融合して見事の一言に尽きる。そのうえ難しい事を抜きに、ポップに聴かせられるオンガクとして成立させた功績は大きい。一つ一つの楽器が織りなす,離れてはくっつくような絶妙なアンサンブルが時間や場所をわすれてしまうような感覚に陥る。頭の中までスッキリさせてくれる一枚。

FEIST

Let It Die

どこまでも高く舞舞い上がる一羽の鳥のように、自由で伸びやかな歌声をもつ本当に素晴らしいシンガーソングライターの誕生。どこか憂いを帯びた繊細なたたずまいながら、どの曲もメロディアスで親しみがわく最良質のポップスアルバム!同じカナダ出身のロン・セクスミスの永遠の名曲 “Secret Heart”のカバーは涙腺がゆるんでしまうほど愛おしい!いつまでも大切にしたい一枚。ひんやりした朝や、雨の日のお掃除にぴったり。お部屋の空気まで清浄してくれますよ。

MIGHTY SPARROW 

Hot And Sweet

ヴァン・ダイク・パークスがプロデュースした、1974年発表のカリプソ音楽の決定版!歌詞の内容は植民地としてしての自国の歴史風刺歌ながら、なんと陽気でピースフルに満ちあふれた音楽か! ホーン隊とリズム隊そしてパンチのあるスパロウの歌。みんなが笑顔で演奏しているのが手に取るようにわかる、終始リラックスしたほどよい興奮を覚える大推薦アルバム!友人を招いておおいに食べ散らかした後は、ほろ酔い気分で一緒におかたづけ。 

DJANGO REINHARDT

Best Of Django Reinhardt On Vogue

左指にハンディを抱えているとは思えない程の演奏!スピーディーなカッティングと跳ね踊るピッキングでジプシージャズなるスタイルを確立した偉大なジャズキタリスト、ジャンゴ・ラインハルトのベスト盤(1934〜48)。時にスリリングに時にスムースに、ホーンやストリングスの織りなす最高に甘美なスウィングにうっとり。古き良き時代のエンターテイメントの香りや温もりを感じる一枚。季節の移り変わり、のんびりと衣替えするときのBGMにぴったり。

金延幸子

み空

1972年発表、和製ジョニー・ミッチェルと言われたシンガーソングライター金延幸子の日本のポップス/フォークの永遠的名盤。アコースティックギターの弾き語りを中心にした、様々に姿を変える海のように、時にやさしく時に荒々しく、透通った無垢なる声で歌い上げる。はっぴいえんどの面々によるささやかなバッキングも素晴らしく、歌詞のもつ力強さが、波打際に足を浸したようにやさしく体に染み渡る作品。なかなか寝付けない夜の掃除に合いそう。

オムトン

オムトン

リズミカルに跳ね回るマリンバ、プリミティブな響きのジャンベやコンガなど、実に様々な楽器を使い、軽やかにアンサンブルを奏でる女性3人「オムトン」による初作品集。どこか懐かしさを覚える、シンプルな美しさに満ちた、何とも愛おしい響きは、ミニマルやムーンドッグ周辺が好きな人にはもちろん、すべての世代の人にとって忘れられないものになるはず。自分で歌詞をつけ、口ずさみながらお掃除したら楽しいかも。

とっておきの一枚

SUFJAN STEVENS

presents The Avalanche

米アマゾンの音楽大好きエディターたちが全ジャンルから選ぶ「Best of 2005」の何と堂々年間1位に輝き、フッド、ラリプナが年間ベスト10に選出した「イリノイ」に惜しくも収録されなかったアウトテイクをスフィアン自身がコンパイルしたもう一つの「イリノイ」!もともとは2枚組でリリース予定だった傑作「イリノイ」に入るはずの曲を完成トラックとして収録している5枚目の作品。鈴木惣一郎さんに「ヴァン・ダイク級の最重要人物」と絶賛され、バンジョーを中心に多彩なほとんど全ての楽器をプレイするスフィアン。内省的で翳りのあるヴォーカル、成熟したメロディが素晴らしいのはもちろん、センシティヴで華麗なオーケストレーション、神業的なアレンジメントが精妙で何度もプレイ・ボタンを押してしまうほど耽溺性のあるアルバム。ジム・オルークの「ユリイカ」にも匹敵するキラーT-3、T-6、T-14は特にお薦め!

JIM O’ROURKE

Eureka

ジムがいうジョン・フェイヒー〜ヴァン・ダイク・パークスに連なるアメリカーナの流れを汲みながら独自に展開される麗しくポップな曲が並ぶ珠玉の作品。トラックごとに印象を変える繊細で大胆な立体的アレンジメントと、瑞々しさに溢れているソングライティングは文句なく素晴らしく、ジムの日だまりのような温もりを湛えたヴォーカルにきっと心が静かに満たされるはず。音楽家としての誠実さ、正直さを貫き通した、個人的には何十回聴いたか分からない大傑作アルバム!

VAN DYKE PARKS

Song Cycle

ジム・オルークが無人島に持っていく究極の1枚としてセレクトした60年代アメリカ音楽の金字塔。当時はほとんど理解されなかった、異なる時代/場所のさまざまな音楽が浮かんでは消える、未来を先取りしたテクスチャー、未知の感覚を体験できる奥行きのあるプロダクション、優美なバンド・アレンジが素晴らしく、何度聴いても新しい発見がある奇跡のアルバム。マーケティングをまったく無視して内容でリリースした昔のレコード会社の懐の深さに感謝!

LUKE TEMPLE

Hold A Match For The Gasoline World

クリッターズ・バギンのマッドらが提供するシンプルなバッキングにのる、知的で優しさに溢れた声に心が休まる珠玉のデビュー作。5年間書きためた曲のストックから厳選されたトラックの数々は、ポール・サイモン、ニック・ドレイクを彷佛とさせるクラシカルなソングライティングを、ジャック・ジョンソン以降の瑞々しい感性でクリエイトしていて秀逸。サーフ&オーガニック・フォークのリスナーはもちろん、エリオット・スミス辺り好きな方まで是非。1日の最後に聴くと特に最高!

SUFJAN STEVENS

Seven Swans

天性ともいえる憂いを含んだ翳りのあるヴォーカル、そして温かみのあるノスタルジックなソングライト。間違いなく現代最高の若手音楽家で、ここ日本と本国アメリカで知名度のギャップが最大なアーティスト、スフィアンのクリエイティヴィティがピークに達したことを物語る04年作品。バンジョーを中心にオーボエ、リコーダーなど多彩な楽器が重層的に響き合う穏やかで高度な独自のアレンジメントが出色。全アルバム中最もメランコリック、長く付き合うには格好の1枚!

PAJO

1968

寂寥感溢れる声、スリント〜トータスにスペースを与えた、空間を探るような独特のフレーズを生み出すギターが、トロけるように懐かしいプロダクションのもとに混ざり合っているとても美しいアルバム。まるで耳元で歌われているような独自のミキシングが施された陰影に富んだオープニング、何度聴いても深い余韻が残るラスト2曲は絶品。強烈な浮遊感を湛えている本作での深い味わいは抗しがたくて、噛み締めながら10年は愛聴しそう。この暗さが本当堪らない!

TUNNG

Mother’s Daughter and Other Songs

初期のベータ・バンドをアコースティックにした感じのフォーキー+空間にディスプレイされた電子音響が高いレベルで融合している驚愕のデビュー・アルバム。リリカルなメロディ、ダウナーなヴォーカル、繊細なエレクトロニクス、美しいピッキング・ギター、すべてがゆるやかに溶け合い極上のサウンドを展開。ハイレベルなソングライティングと、ヒプノティックなムードを終始キープした独特の世界は、一度聴いたら絶対病みつきになる!

ELLIOTT SMITH

Either/Or

ジェームス・テイラー以降の都会的なソングライトを現代的にアップデイトさせた、オルタナティヴ世代最高のSSW、故エリオット・スミスのキャリアを代表するインディ時代最後のアルバム。今にも崩れそうなほど繊細なメロディの上に展開される、人間味に溢れた優しく凛々しい歌世界は、きっとあなたの心をいつでも静かに満たしてくれはず。簡潔なバッキングが歌の良さを過不足なく伝えて秀逸!

小栗栖憲英

Good Morning

デリケートでいて芯の強い声、深みのあるピッキング・ギターが文句なしに素晴らしい、小栗栖版「ユリイカ」といえる、3年ぶりのアルバム。エレクトロニカを通過した新感覚のフォーク・ミュージックの旗手として、今後の絶対的な評価は確実!音に対する細やかな神経は、ラップトップ・アーティストとしてNYのレーベルから世界デビューしたキャリアを持つ彼ならではのもの。イノセントな部分を象徴するかのような美しいソングライティングが胸を打つ和SSW秀作!!

小沢健二

毎日の環境学

ドイツ文学/口承文芸学者で「昔ばなし研究所」を設立したお父さん、小澤俊夫さん発行の雑誌「子どもと昔話」連載のオリジナル童話「うさぎ!」のサウンドトラックといってもいい内容の全曲インストゥルメンタル作品。ファンタジーとジャジーなグルーヴが交錯した、ダウンテンポでダビーな極上のライト・フュージョンは、ホルンの柔らかい響きや、カッティング・ギター、シンセがオーガニックに絡み合い、とてもイマジネイティヴでスリリング!竹村ノブカズさん好きな方にも是非!

CAETANO VELOSO & GAL COSTA

Domingo

時代遅れになったボサノヴァを葬る鎮魂歌のようでもある、限りなく繊細で美しくダウナーなデビュー作。最近のステージでも演奏される名曲「Coracao Vagabundo」から、もう何年も聴き続けている生涯の一曲「Quem Me Dera」まで、装飾が一切ないギリギリのところで音がなっているアシッドなテイスト、ブラジルならではのメランコリーに包まれた、無人島の1枚クラスの作品。アルバム全体に漂う穏やかさは神懸り的。

LEONARD COHEN

Songs From a Room

ティム・ハーディン、ジョニー・キャシュ、最近ではスティーナ・ノルデンスタムにもカヴァーされた、低い声で呟く様に歌われる名曲T-1、束の間の希望を淡々と歌うT-10はじめ、真夜中に一人で聴きたい、切なくも美しいアコースティック作品を収録した69年の傑作セカンド。7年間居を構えたギリシャ、ヒドラ島の部屋での当時の妻マリアンヌのポートレイトを使用したバック・スリーヴも印象的な、カナダ人ならではの深淵な美意識に貫かれたSSW名盤中の名盤。