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「100文字SF」の世界へ 北野勇作 ハヤカワ文庫

0621new⇒ポッドキャストで取り上げました!

北野勇作さんの最新刊、「100文字SF」が遂に発売されました。発売前にSFマガジンの編集長Twitterで見本画像が出たときからRTがかなりまわり、

発売後も「購入した!」との声が多く上がっているようです。
なぜ、このように魅力的な作品にしあがったのか、探偵していきたいと思います。

まず、そもそも「100文字SF」ってなんぞや?

これは北野勇作さんがTwitter上で始めた「ほぼ100字小説」からSF的作品を200編抜粋したものなんです。2020年6月現在で2215編!まで発表されています。ひえ…

Twitterに発表されているものはSF的なものだけでなく、怪奇幻想や不条理、身の回りや世間のことなど多種多彩です。

では、さっそく探偵に移りますが、まず気になるのが

文庫にあるまじきビジュアルの美しさ

白バックだとどこまでが本の表紙かわかりませんが、WEBで見ても「あ」と思うじゃないですか。これは本屋でみたらもっと「あ」と思いますよ。そもそもハヤカワ文庫の表紙はいい意味でバタ臭いものがおおいわけで、本屋でそれらの本と並んで置いてあるといやでも浮いて出てくるわけです。

こんな風に、

ほらね、目立つでしょ。さいこーですよ、もう。

良いデザインとはなにか?といえばそれはデザインと小説のテーマが一致していればするほど素晴らしいデザインだと言えます。この「100文字SF」言ってみれば「省略の美学」ですから、この極力、無駄なものをそぎ落としたデザインがまさにベストマッチなのです!いや、もしかすると営業を説得するために、デザイン費用を極力使わず制作費を抑えることで企画を通した可能性も…

それでは、ページを開いてみましょう。げ、短い!なぜなら100文字だから。ここからは現代批判なのですが、おそらくここ10年で日本人が耐えられる文章量はことごとく短くなったと思います。はっきりいうとTwitterのせいだと思うのですが、もう140文字以上の文章なんてかったるくてみてらんない体になってしまったのです。文字を読むシチュエーションも座って、新聞や本を読む→通勤中、飯食いながらスマホで、みたいな風に変わって文字を読む時間もコマ切れ、細分化している。どんなものでもそうですが、「パッと始められて、スパッとやめられるもの」がシェアを稼ぎ出している。例えば、アメリカの新動画サービス「Quibi」とかもそうですね。ハイクオリティのドラマがすべての動画が10分未満となっている。これがいまシェアを伸ばしている。大人気ゲーム、「フォートナイト」も「ファストイン、ファストアウト」のゲームデザインで若い世代から圧倒的な支持を得ています。こういった状況の中で、目ざとい編集者が北野勇作さんの「100文字SFに目をつけたのであります。たぶん、きっと。

さて、そろそろ内容にはいりたいのですが、

多種多少すぎて、どういっていいかわかりません。いや、読めばわかる。しかし、全体として総括するとどうなるのか…。探偵なのでこの事件を暴きますとこの小説は「私小説」なのです。どういうことかと申しますと、まず100文字という形式上、余分な装飾は排除されます。ということは残った文章はもうほとんど北野勇作の頭の中そのもの! マルコビッチの穴状態です。小説を読んでいたつもりが実は北野勇作の頭の中を覗いていた。頭の中をこんな風に陳列していいのでしょうか。もはやこれは、陳列罪では…。よって探偵としては「SFの皮をかぶった私小説陳列罪」をここに宣言します。

3回読んだ後の追記:
内容としてはバリエーションの豊富さ、または小説の圧縮のテクニックといったところ目がいきがちですが、これは大きな視点として「父親が娘にあてた物語」なのではないかな。と思っています。最初と最後のテーマがぐるりと輪を描いていて、時間が飛んでいる。その間に語られた198編のことは「お父さんの頭の中」、もしくは本当にあったことを「語りなおしている」ようにも感じるのです。だからこそ、文章のそぎ落とされた小説でありながら、温かみを受け取るのではないでしょうか。

はい、では探偵はここまで。
あとは読んだ皆さんで探偵してください。それではまた。

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https://twitter.com/takaonikan/status/1269826596359204864?s=20

https://twitter.com/UKGyyiteCKVSpT6/status/1269556333717553153?s=20

個人的な「100文字SF」のエンディング曲はくるり「言葉はさんかくで こころは四角」です。ではでは。

 

 

 

 

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